風と向き合う


さて、いつの間にやら「ちはや」は六年目になりました。
長かったような、短かかったような……。
ろくろく出港できなかった年もあり、うまくなっているのやらどうなのやら良く分からない今日この頃です(^^;;。
その反省あって、というわけではありませんが、最近、風について色々考えるようになりました。
テーマは、おおげさに言えば「より良い上り角、より風にあった帆走を実現するには?」ということ。6 年目にもなってこんなことに目覚めるなんて、少々お恥ずかしいところではありますが、浜名湖レースで乗らなくなってから、正直、ここ何年かさぼっていました。

こんなことを考えはじめたきっかけの一つ目は、久々にレース(Kennosuke Cup)に参加したことでした。
……とはいっても、レース結果そのもので反省したというよりは(反省もしましたが(^^;; )、一緒に参加した F さんがレースの準備に「セールトリム虎の巻」を読んで来たと言っていたのを聞いて。
不覚にも筆者は読んだことがなかったので、反省して読んでみたのですが、これが結構面白い。
今まであまり明確には意識していなかったセール形状が、思っていた以上に艇の走りに影響を及ぼしているのではないかと思いはじめました。
レース艇が大枚をはたいてハイテクセールを整えるのには、当然それなりに理由があるわけですが、その一端が少しは筆者にも見えてきたような気がします(気のせいかも知れませんけど(^^;; )。

きっかけの二つ目は、舵誌の連載「WIND STRATEGY」が目にとまったこと。
この連載は、ちょっとヤヤコシイ内容ではありますが、風が強くなるときにどちらに風が振れるか、弱くなるときにどちらに風が振れるか、無風帯はどのように移動していくのか、体系的に理解する方法があるというので、目からうろこが落ちました。まさかそんなことにまで法則があろうとは……。もしかすると、のんべんだらりと乗っていてはいけないということ?

連載のはじめの方は持っていなかったので、今日、Fさんに持ってきていただいて、読んでいるところだったりします (^^;;

それで、きっかけの三つ目は、何故か子どもと一緒に飛ばした紙飛行機でした。 紙飛行機(ホワイトウィングスのようなペーパーグライダー)は風の中を滑空しますが、紙飛行機の翼とヨットのセールとは、縦横の違いはあるものの、かなり共通の要素が多いのです(どちらも翼なので、良く考えると当たり前なのですが……(^^;;)。
紙飛行機は、翼の形(キャンバや翼端のひねり)や尾翼の角度をコントロールすることで、驚くほど良く飛ぶようになったり、逆にあっという間に落ちてきたりしてしまいます。その差わずか 1ミリ程度。
紙飛行機の滞空時間(滑空して下りてくる角度)は、機体の『揚抗比(揚力と抵抗の大きさの比)』に大きく影響されます。そしてその揚抗比は、迎え角(風に対する翼の角度)やキャンバの深さによって大きく左右されてしまいます。
同じように考えれば、セールの風に対する角度と、セールの深さ、形状、艇の風に対する角度などに関して、もっといろいろと試せることがあるのではないか? ちょっとやってみただけで可能性が見えてきたところからすると、今までいかにさぼっていたか……反省(^^;;

ということで、少し心根を入れ替えて、今期は頑張ってまいりたいと思っております。
もしや、なにか良い成果や考察が出れば、本当に久しぶりに「物理屋さんのヨットページ」あたりで成果をお知らせ出来るかも知れません……。

乞う、ご期待?