エンデュアランス号 シャクルトン南極探検の全記録


船つながりということで……。

映画にもなったことで、一時期「史上最強のリーダー」として話題になっていたシャクルトンの南極探検記(というより南極生還記)です。

南極探検へ行く途中、船が氷に閉じ込められて遭難したシャクルトン隊が全員極地から生還するまでの記録を、フランク・ハーレーの美しい写真と共に見せてくれます。

調べてみると、シャクルトン自身の手記も含めて、シャクルトンの本は何種類か出ているようなのですが、この本の良さは、隊員達の日記をつき合わせた客観的な視点からの迫真の記述と、フランク・ハーレーの素晴らしい写真に集約されるように思います。

多くの資料をあたって書かれた良いドキュメンタリー特有の落ち着いた記述と、その裏に秘められた静かな緊張感があってなかなかお薦めの本です。

十分な準備の後、比較的あっさりと南極点到達を成功させたアムンゼン、探検自体は失敗したが、(本の中で示唆されているように計画性に難があったとしても)極めて困難な状況から全隊員を連れ戻したシャクルトン

どちらも素晴らしいリーダーなのだと思いますが、一方で、リーダーシップのあり方について考えさせられる本でもあります。



エンデュアランス号―シャクルトン南極探検の全記録

エンデュアランス号―シャクルトン南極探検の全記録

ISBN: 4789719219