MEGASTAR-II

川崎市は「青少年科学館」で MEGASTAR-II が稼働しているとのことで、この週末に家族揃って行って参りました。
MEGASTAR-II は、川崎市大平貴之さんが独力で開発された、400万を超える星が投影できるプラネタリウムの映写機。
日本科学未来館」でも稼働していますが、非常な人気展示であり、筆者たちが行ったときには、整理券が取れずに見ることが出来ませんでした。
そういう意味では、ここでの展示はいわば穴場。投影する星の数は、科学みらい館の 500万 に対してこちらは 410万とやや少なめですが、オリジナルの一号機が稼働しているのはこちらなのだそうです。
D51 とプラネタリウム科学館の 2F には天体望遠鏡のドームがあり、ここでは太陽や金星の観測が出来るのですが、そこの係の方の話では、大平さんはこのプラネタリウムに通って、いろいろと質問をされたりもしたそうです。そのご縁で、こちらでも MEGASTAR-II の展示を行っているのだとか。
川崎市青少年科学館は、多摩区の山の中にある「生田緑地」内に作られた施設です。この生田緑地には、他にも「日本民家園」や「岡本太郎美術館」なども設けられており、また、梅やつつじ、桜などの名所でもあるようです。
もともと、10:30 からの回を見ようともくろんでいたのですが、この回はほとんど MEGASTAR-II が活躍しない(子ども向けのスライドショーがメイン)と聞いて、次の12 時からの回まで待つことにしました。
生田緑地の梅で、園内を散歩してきたのですが、バードウォッチング用の小屋があったり、丘を登っていくと梅園があってみたりして、鄙びてはいますが、これはこれで散策にはなかなか良いところです。
岡本太郎美術館の塔岡本太郎美術館には、ナゾの塔があったりもしましたし……。これなんかはちょっと面白い雰囲気です。
さて、時間が来て、プラネタリウムの館内に入ると、双眼鏡の無料貸し出しをやっていました。
映写機は二機置いてあって、最初は普通の映写機の方での解説。そのときの星の数がおおよそ 6000個 くらいだそう。天の川は、灰色のボカシのようにして表現しています。
左側が MEGASTAR-II 初号機これが途中で MEGASTAR-II での投影に切り替わるのですが、肉眼では、星の輝度と精度が増したような印象。うす曇りの空が晴れ上がったような印象です。
見てみて分かったのですが、MEGASTAR-II の投影する星の数はあまりに多すぎて、双眼鏡がないと投影されている輝度の低い星々を見分けることが出来ません。
で、双眼鏡で見ると、天の川の星の一つ一つまで、見事に光の点で表現されています。あまりに数が多すぎて、肉眼ではぼんやりとした雲のようにしか見えないのは、本物の天の川とまったく一緒。天の川だけでなく、その他の領域にも、一等星や二等星の背景を為すように、本当に無数の小さな星が点々と見えています。
考えてみれば、400万個も投影されているその星々を肉眼で見分けることが無理なことはまったく当たり前なのですが、見てみて初めて納得する何とやら……でした。
素晴らしい仕事をされたものです。