大熱戦の幕切れ


いやー、ついに終わりました Act12。遅ればせながらレポートです。

まずは 1st ディビジョン(1-4位艇のトーナメント)のファイナルから。
ファイナルは、Emirates Team NewZealand と Alinghi の対戦。前回 AC の防衛艇と挑戦艇ですね。
ファイナル1戦目は 17 秒差で Emirates Team NewZealand。最終結果は 17 秒差とはいえ、最後の上マークを回るまで、各マークを回った際の差が 9 秒以内という大接戦。AC 艇の速力が 10kts(≒ 毎秒 5m の速力)ですから、10 秒というと約 50 m の差。AC 艇の 長さにして、2 艇身ちょっとくらいでしょうか。雰囲気としては、艇一つ分をはさんで、常に ETNZ を Alinghi が追撃しているような状態を思い浮かべれば良さそう。
ファイナル 2 戦目も同じように 9 秒以内の接戦で、制したのは Alinghi。最終の下りレグ、ETNZ に不用意な動きがあったようで、Alinghi が最終上マークでの 9 秒差を大きくひっくり返して 24 秒差の勝利。
ファイナル 3 戦目。いよいよ、これで優勝が決まる最終戦。最初のレグで ETNZ がリードを奪うと、Alinghi、ついに力尽きたのか、リードの拡大を許してしまいます。以降、ETNZ が継続的にリードを広げて、最後は 1m 24s 差で ETNZ が逃げ切り、最大のライバルである BMW Oracle と Alinghi の双方を僅差で下して、優勝をもぎ取りました。これは、ちょっともろいところのあった ETNZ にとって、精神的に大きいかも知れません。
それにしても本当に、これら 3 チームは実力差がありません。あと 1 年。このままいくと、とてもスリリングな予選リーグ(LVC)及び AC 本戦が見られそうな感じです。もっとも、今回 Alinghi は新艇 SUI-91 を投入していませんので、この艇の実力が未知数なところがちょっと不気味ですが。

四強の一角、Luna Rossa は、セミファイナルで Alinghi に二連敗。プチファイナル(三位決定戦)では 一戦目、BMW Oracle と大接戦を演じていたのですが、タッキングの際に接触。両艇かなり破損したようで、翌日のレースが不可能に。結局、Luna Rossa が危険なアクションを取ったという裁定となり、これによって BMW Oracle の勝利(三位)が確定しました。Luna Rossa は、ちょっとツキの無いところがありますね。

ディビジョン 2(5-8位)もかなりの激戦区となっているのですが、今回抜け出したのは新艇 ESP-88 が出来て上り調子の Espanol(ESP)。地元の利もあるのでしょうけど、2 位集団の中では、安定して力を発揮してきているように思えます。
続いて Mascalzone Latino(ITA)。Mascalzone Latino は前回 LVC では最下位集団をうろうろしていましたので、ディビジョン 2 で 2 位(総合 6 位)というのは隔世の感。継続は力なり、といったところ。
以下、Victory(SWE)、Shosholoza(RSA)、Areva(FRA)、+39 Challenge(ITA)、Germany(GER)、China(CHN)の順位となりました。

次の LVAct は来年の四月。これが終わると、いよいよ Louis Vuitton Cup を経て、America's Cup 本戦に突入します。
レースの無い 10ヶ月間、はやく始まらないかとやきもきしながら過ごすことになりそうです。