快走の日(天王崎往路)


G.W. 出港の初日は、恒例の(?)天王崎行き往路。
参加者は、おなじみ代官殿と豚児の R、それに筆者。復路に福丸さんが参加してくれる予定です。
もくもくさて、行きだけなら午後一杯で到着する感じなので、午前中はかねてから見に行きたいと思っていた新木場の『もくもく』さんへ行ってみました。

このお店は、様々な木材を売っているお店。今ではなかなか手に入りにくいと聞いているマホガニーなんかも置いてあります。きちんと製材された板材だけでなく、端材や痛みのある材は『はかり売り』という形で、100g あたりいくらで出していたりします(かなり安いです)。ひと切り幾らで、カッティングもしてくれます。
筆者達のお目当ては、すのこを張り替えるためのチーク。量り売りコーナーで買うと安くあがるのですが、一番長いすのこは、長さ 170 cm の材木が必要。これはさすがにはかり売りコーナーにはありません。
結局、きちんとした板材と、はかり売りコーナーからのものを合わせて調達することになりました。
お店の人は、チークと聞いて船用だとぴんと来た様子。お話を聞いてみると、なんでも、デッキ用か何かで何十枚もの製材依頼が来たりしているのだとか。意外とフネの関係者が使っているお店なのでしょうか?

さて、ここから高速をかっとばして、昼食後マリーナへ。
フネを下ろしてみると、どうも珍しい風向き。南風です。
いつもは北東〜東風が多く、出港後しばらくはタックの練習みたいになってしまうのですが、この風だと、アビーム一本で天王崎まで行けてしまうかも知れません。
風が少し強めなので、ジブは No.3(レギュラー)を選択。
出港は 2 時少し過ぎ。
天気も良く、珍しいほどの快走。
お隣に艇を泊めている『さくら』さんも出していたようで、途中ですれ違い、さらに沖合いへ。
快走中風向きはリーチングですが、20°くらいのヒールが入ります。船首が波を切る音が時折 6 knots を超えている感じです。船体が時折サーフィングして加速する感じが伝わってきます。
あっという間に掛馬沖を通り過ぎ、一時間ほどで普段は一時間半以上かかるTI(テキサス・インスツルメンツ)沖まで来てしまいます。
風は強くなったり弱くなったりして吹いてきますが、おおむね風力 4(風速 5.5〜7.9 m/s)の後半だった模様。
昨年末からセールトリム改善週間に入っているちはや号は、いろいろと試行錯誤しながらの帆走。風速にあわせたセールのツイスト(ひねり?)を維持しようとすると、メインシートではなく、トラベラーでトリムする方が良さそう。メインシートを締めたり緩めたりしてメインセールの後縁を閉じたり開いたり。トラベラーで開きを調節して、ベストのポイントを探しながらの帆走。
やがて大山の沖。
少し風が落ちてのんびり帆走。
セールだけはなんとか風に合わせるようにしながら。
少し霞みがかった湖面の向こうに、新緑色の低い丘が見えているのはなかなかの風情。写真で撮るとなかなか綺麗に出ないのですが、これはそれなりに美しい光景です。
少しスローダウンはしましたが、順調に湖面を滑り、5 時ちょっと前に目指す天王崎の麻生桟橋に到着。ここまでの所要時間は、3 時間弱ですから、ちはやとしては新記録ということになりそう。

さて、無事桟橋に到着して、艇をもやったはいいのですが、波にあおられて危なくて停泊していられません。一つ南の麻生漁港(?)に入れていただくことに。
艇を一度桟橋から離して、再度沖からアプローチ。
麻生漁港きゅっと絞られた入り口から入ると……波がまったく無い港内の水面が出迎えてくれました。
岸壁に横付けさせてもらって、三時間半の往路を終了。
近くに漁船の持ち主の方がおられたので、停泊の可否をうかがうと、問題ないとのご返事をいただきました。おかげさまで、港外では結構波がきているなか、静かな船中泊を(霞ヶ浦では初めて)経験することができました。波でちゃぷちゃぷとあおられない船中泊はなかなか心地よいものです。
さて、天王崎では恒例の白帆荘の温泉に入ってついでに夕食。残念ながら湖面は靄がかかってしまい、夕日は見られませんでしたが、セーリング後の温泉は良いです。
翌日、福丸さんが来てくれるそうなので、早めの就寝で鋭気を養います。
豚児の R はこの日が初の船中泊になりました。